䷊11.地天泰(ちてんたい)
「順風満帆のとき」
この卦が表すもの
卦の形をよく見てみると、易者の目印(看板)となっているのを目にした方も多いかもしれません。これは易における一つの理想の形といえます。下の卦の「天」の気は上へと向かい、上の卦の「地」の気は下へと向かい、天と地がぴたりと交わって物事が順調に進んでいくことを示しています。夫婦、男女間も申し分なく安定した関係です。相性もよく、それぞれの良さを生かしながら支えあい、充実したときを紡いでいけます。仕事や事業も、精神的にも合う人との縁を得て、のびのびと進んでいける時です。
この卦が私たちに教えること
幸せで平和なときも、いつかは傾いていきます。これが自然の法則なのであって、必要以上に怖がることもないのです。この卦ではどうしたらよい時代を長く保つことができるかを教えます。
まずはこの平安も永遠に続くものではないことを見通していれば、目をそむけたくなるような事柄にも包み込むように対処できるといいます。そして改めるべきところは勇気をもって正していき、安定しているときにこそ、苦労を惜しまずに危機管理に努めなさいと説きます。安心の中に生まれる油断に注意が必要です。
この卦が出たあなたへ
すべてのことが整って、落ち着き安らかな状態です。
仕事や事業では、望んでいることが奇跡のように成し遂げられていくときです。
ただ、この状態も永遠に続くものではないことを認識して、次にやってくることを予想しながら、よい時が長く続くように取り組むことです。
結婚や恋愛では、性格的にも肉体的にもぴったりと合っているので、これ以上ないほど良い関係です。良縁ですので、まとまります。最初は立場的な違和感があるかもしれませんが、心配はいりません。
夫婦関係も、それぞれが得意な分野で力を合わせて、家庭を運営していけるときです。楽しいときはあっという間にすぎてしまいます。この時を十分に味わいながら過ごしてください。
占い例
子育てのため、一時キャリアを中断した方の再就職先が決まり、そこでの仕事について占い、この卦が出たことがあります。新しい職場の人間関係も心配なく、特に上司とは波長が合い、うまくいくでしょうと申し上げました。