山地剥(さんちはく)~崩れ落ちる山~

23.山地剥(さんちはく)

「崩れ落ちる山」

この卦が示すもの

上の卦は「山」が上にあり、「地」が下にあります。卦の形からもわかりますが、一番上の卦が陽(⚊)となっているところ以外は、全部、陰(⚋)の組み合わせのため、山の中身が空洞になっていて、今にも土台から崩れそうな情景が浮かびます。「剥」には、剥奪・剥落・剥離の言葉があるように、剥ぎ取る・削り取られる、という意味があり、運勢としては衰運の極みにあります。

この卦が私たちに教えること

この卦にある一番上の陽(⚊)は、残り5つの陰(⚋)に、下から追い落とされようとしています。陽は君子であり、国王や指導者などの立場が上の者を指し、陰は小人であり、国民や部下のことを指します。どんなに志が素晴らしいトップやリーダーでも、時の流れによっては下の立場の者たちとの信頼が築けずに、下克上が起きる過酷な時代を進まなくてはならないときです。こんな時は抵抗せず、時に流れに従うよりほかはありません。また、一番上にある陽は、木の枝にぽつりと残された大きな果実に例えられます。果実は、秀でた人物・蓄えられた財産を意味します。易経では、非道な時代にあっても、食べつくされずに残った果実があれば、それがまた地面に落ち芽吹くことで、時代を変えていく原動力になると教えています。

この卦が出たあなたへ

運勢は衰退の極限にあります。この卦の運勢を四季で例えるなら冬。一日の時間で例えるなら夕暮れ時です。山が浸食作用によって、どんどん削り取られていくときなので、実力があっても進展が望めない状況です。このような苦難のときは速く脱したいと願うものですが、この事態を招いたのはご自身でもあります。人間の力では到底、この退勢を取り戻すことは難しいので、無理に動いて自分に危害が及ぶことだけは避けてください。事業についても安易に他人に任せることは禁物です。倉庫の中の穀物がネズミに食い荒らされるように、建物こそ立派でも中身を空っぽにされる危険があります。

男女の関係も、一人の男性に多くの女性が会いに来る形であり、ひどいバランスで感心できかねます。紹介されることがあっても、騙されないようによく調査をしてください。一般的には実りのある関係には程遠く、浮気の相手が多すぎたり、芸能人や有名人の追っかけで散財したりするような場合が多いです。

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