沢火革(たくかかく)~社会に起きる革命的な変化~

49.沢火革(たくかかく)

「社会に起きる革命的な変化」

この卦が表すもの

上の卦が「沢」で、その下に「火」があります。水と火が、一つのところに一緒にあるのですが、その性質は反発し合います。この相反状態が続くと差し支えて弊害が出るので、革めなくてはならないときが来たことを表します。

「革」とは革命・改革・革新の言葉にあるように、物事をあらためることです。「革命」は、この卦が出典です。「革」の文字には、獣の皮を剥いでなめし、用途に応じて使えるようにするという意味があります。なめした革は、もとの獣の皮とは全くの別物として機能するようになり、前の状態を想像できないほどに変わります。革命は、古い体制や価値観が壊れて根本的な変化があって、これまでとは全く異なる方向にシフトチェンジをするときです。新しい価値観が広く浸透し、新たな制度や組織が生まれていくときです。

この卦が私たちに教えること

沢火革は、社会のリーダーに対して改革の進め方を教えています。先見の明のあるリーダーは、古い組織や制度の弊害については早くから認識し、変革の必要性を感じています。ところが、弊害が世の中に広く及んで、誰も目にも明らかになってからでないと、改革は成功しないと説きます。大半の人々は急速な変化を怖れるものだからです。そして、改革には皆が納得する大義名分が必要であるといいます。大変革は、適切なタイミングでなされ、結果として人々からも「変わってよかった」と感謝されなければならないものなのです。

コロナ禍は、まさに沢火革のときといえるのではないでしょうか。これまでの常識が覆され、新たな生活様式が広まり、仕事そのものや働き方も大きく変わろうとしています。私たちはこれから、社会のシステムが覆るような新旧の交代を目の当たりにすることでしょう。変化の時に私たちはどのような心持ちで対応すればよいかというと、多少の痛みも伴うことを予想して、適応力を備えておくことです。同じことのくり返しに見える日常生活も、まったく同じ日は一つもなく、あたりまえではないと考え、平時の変化に対する積み重ねにより、有事の対応力が培われるのではないでしょうか。

この卦が出たあなたへ

社会全体に変革が起こる時であり、会社や組織では、体制・制度が変わったことにより、解雇や雇用が一度になされるときであると見ます。この卦が出るときは、自分の一身上のことはもちろん、周りの状況にも変化の時期が迫っているときです。家庭でも家族が増えるなど、喜ばしいことがあります。

運勢も好調で強いときですが、何事においても、一人で物事を始めるより、複数の人と共同で行った方が実益も上がり、成功しやすいです。

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