風沢中孚(ふうたくちゅうふ)~卵を温める親鳥~

61.風沢中孚(ふうたくちゅうふ)

「卵を温める親鳥」

この卦が表すもの

「沢」の卦の上に「風」があります。「中孚」とは、真心のことで、心の中心から誠実さが満ちあふれている様子をいいます。「孚」という文字は、「爪」と「子」という漢字が組み合わされて成り立っています。ここでは親鳥が卵をかえすために温めながら、時折爪で卵を動かして適温を保ち、守る様子を表しています。

この卦が私たちに教えること

鳥の爪は尖っていて、本来は獲物をつかんだり、枝にとまったりできるようになっています。卵を孵化させるために、親鳥は爪で壊さないように卵に動かして温め、かえし育てていきます。誰からも教わったわけでもない親鳥の様子は、人々に感銘を与えます。真の愛情がこもった誠心誠意の行動と、固い信念があれば、大きなことが成し遂げられると教えています。

会社のトップで、社員を自分の家族(=子)ととらえて経営されている方にお会いすることがありますが、まさにこの卦を実践している方です。ただ、ここでは見返りを求めずに行えているのか否かがポイントです。「これだけよくしているのだから、このくらいやってくれて当然だ」という気持ちが少しでもあれば、所属する社員は敏感に察知し、いざというときには離れていきます。この中孚の真心から出た行動をしていたなら、どんな苦難が来ても人が離れることはなく、力を合わせて乗り越えていけると教えています。

この卦が出たあなたへ

現在のあなたは、卵を抱く親鳥と同じ状況で、何よりも慎重さが求められるときです。望みや願いは卵であり、うまく温めることができれば、ひなをかえすことができますが、うっかり取り落としてしまう怖れもあります。ご自身の誠実さと努力によって、成功を収めることができます。

仕事や事業では、それぞれに個性のある人々が互いに誠意を尽くして行う共同事業が吉です。

男女の人間関係では、理想的な「相思相愛」の卦です。この卦の形を見ると、上と下の卦で口をつけ合ってキスをしているように見えます。易に通じていた幸田露伴も中孚を接吻の形、と言っていたそうです。

願望は真摯に求めればかないます。その一方で、日常生活では集中力にかけ、手抜かりが出やすいので注意してください。

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