沢風大過(たくふうたいか)~背中の重荷~

28.沢風大過(たくふうたいか)

「背中の重荷」

この卦が表すもの

上の卦に「沢」があり、下には「風」があります。風の卦は自然のものに例えると草木にもあたり、沢の水が木を沈めている状態を表すとされます。全体の卦の形をみると、一番上と、一番下にある陰(⚋)で、その間にある4つの陽(⚊)を支えている形が見て取れます。力の弱いものが上下で、重量超過の荷物を支えている格好です。「大過」とは文字どおり、大いに過ぎることであり、責任過重というときです。

この卦が私たちに教えること

易ではこの「大過」について、建物の棟木がたわんでいる状態から説明をしています。建物の内部が大変に重い一方で、柱や床、屋根があまりにも貧弱なために、いつ壊れてもおかしくない不安なときです。会社や組織でいうと、中間層の勢力が強く、それに対して上層と下層の力が脆弱なため、何か事を進めようとすると、組織が根底から壊れてしまう非常事態であることを警告しています。そして、危急存亡の事態に面したときの、上に立つもののとるべき行動を教えています。このような時は、自分の力量を超えることだとわかっていても、逃げてはならず、周りや世間から非難をされたとしても自分の志を貫かなくてはならないときだといいます。家の補修をするときのように、組織についても少しずつ、細やかに補強をしていって体制を整えなさいと教えています。

この卦が出たあなたへ

今、非常に危険な局面にあります。でも、それだからといってすべてをストップさせるわけにはいきません。強い意志をもって、苦難を克服しなくてはなりません。

仕事や事業面では、内部に人材が多すぎるためにかえって失敗しかねない状況です。事業拡大が早急すぎて、資金不足のこともあります。まずは一歩退いて、取り除ける責任があるのならそれをおろし、過労を避けましょう。そして豊かな気持ちをもって、これからの方針を考えることもよいでしょう。悪いときが過ぎるのを待つということも、一つの策であると思います。

男女の人間関係では、この卦の形が、頭が二つで胴体が一つに絡み合った「蛇」を表すとされます。例えば、年配の男性が若い女性に惹かれていて、肉体的なつながりのために離れがたい場合や、年上の女性と若い男性の組み合わせで、女性が男性に身も心もおぼれきっているような状態のときです。こんなとき、周りがいくらやめるように諭しても、当人同士は絶対に離れません。そうかといってこの状態が永遠に続くものでもないのです。

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