火沢睽(かたくけい)~正反対のふたり~

38.火沢睽(かたくけい)

「正反対のふたり」

この卦が表すもの

上の卦に「火」があり、上に向かって燃え上がろうとしますが、下の卦が「沢」なので、下に向かって流れていこうとします。性質の違う二者が、正反対の方向に向かって動こうとすることから、考え方や行動が合わないことを表しています。

また「睽」は「そむく」と読むことから、反目する、同じ方向をもたない、疑うという意味があります。この卦では違う性質・考え方をもったものの関係がこじれてしまったとき、どうやって解決に向かわせることができるのかを教えています。

この卦が私たちに教えること

人間関係がうまくいかなくなると、精神的に大きなダメージを受けます。夫婦関係、嫁姑の問題、兄弟姉妹、会社の同僚との関係等様々なトラブルがありますが、これまで親しかった人とうまくいかなくなる原因は、ほとんどが小さな誤解からだといいます。陰険な冷戦状態が続けばひどい場合は鬱になってしまうこともあるでしょう。関係を修復するには、相手からの行動を求めるのでなはく、まずは自分から折れることが必要だと教えます。「折れる」というと、盲目的に相手の主張をまるまる受け入れるという意味に受け取りそうですが、そうではありません。相手にも相手の立場があり、異なる考えをもつ背景があるのだということを受け止めるということです。冷静に考えることができたなら、実は自分の側が誤解をしていたことに気づくかもしれません。人というものは、とかく一度悪い印象を持つと、疑心暗鬼になって次から次へと悪く考えがちです。

こじれた関係を解きほぐすために、まずは小さなことから丁寧にコツコツとやっていきなさいと説きます。突然に話し合いをもつのではなく、まずは少しだけ近づいて柔らかく声をかけてみて、また離れる。こうしたことを何度か繰り返してみることです。

小さな誤解から生まれた背き合いは、同じく小さな働きかけをすることで修復していきなさいといいます。

それぞれに考え方や意見が違うのは決して悪いことではなく、男女が子を産み育てていくように、相対する陰陽が交わって万物が創生していくのであって、そこから学びなさいと教えています。

この卦が出たあなたへ

仕事や事業では食い違いが多く、内部で勢力争いをしている状態です。まずは内部の関係修復を図ることが第一です。

これでよいのは日常生活です。特に結婚している方々は、一見したところ、合わないようにみえても中身はぴったりしているときです。日常のことなのでお互いのよさも「当たり前」になって、特段幸せだと意識していないかもしれませんが、幸せはすぐそばにあるものなのです。

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