坎為水(かんいすい)~苦しみの水の流れ~

29.坎為水(かんいすい)

「苦しみの水の流れ」

この卦が表すもの

上と下の卦が両方とも「水」であり、不吉な黒い水の流れがごうごうと音を立てて、次々に押し寄せてくる情景が浮かんできます。「坎」という字は、土が欠けると書くことから、「穴」という意味もあり、水の流れの底にさらに穴があいていて、苦難のうえにさらなる困難がやってくる時です。一生のうちであるかないかという大変な苦しみの時であり、64種類ある易の卦の中で、この卦は「四大難卦」のうちの一つとされています。

この卦が私たちに教えること

家族を失った悲しみから病気になる、仕事を失って生活が苦しくなるなど、本当の艱難辛苦とは、一つの困難にあって苦しんでいるときに、さらなる不運や不幸が押し寄せてくることではないでしょうか。こんな時、とにかく逃げずに生き抜くこと、生き続けることを教えています。どうすることもできなければ、できる最低限のことだけをして時の流れにそっていくことです。一つだけ言えることは、この苦しいときも永遠ではないということです。生きる気力さえ奪われかねないこの時でさえも、水が流れてとどまることがないように、時も刻々と流れて変化をしています。頼れるのは自分の真心だけです。この苦しみも、必ず脱するときが来ると信じて耐え続けたなら、必ず信念と誠心によっていかなる険難も乗り越えられると説きます。

この卦が出たあなたへ

人生においては流転・転落の時で、四苦八苦の状態に置かれているときです。何事もない平穏無事な人にこの卦が出たら、詐欺や盗難、けがを警戒してください。身体面では腎臓、眼、精神の健康に気をつけることです。健康な人も、過労でダメージを受けやすいときです。

結婚については、男女ともに悩みがあるときで、なかなか進みにくいと見ます。男性の場合は再婚者が多く、調べてみると隠れたところに女性がいたり、仕事も続かないために経済的には楽ではありません。女性の場合も、家庭の苦労を背負っている方が多いです。

この卦でただ一つよいのは、学問・研究・宗教といった精神面の分野での活動です。

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