天山遯(てんざんとん)~逃げるが勝ち~

33.天山遯(てんざんとん)

「逃げるが勝ち」

この卦が表すもの

「天」の卦が上にあり、「山」の卦がその下にあります。天は果てしなく高く、山は天まで迫ろうとして上に向かっても、到底天には届きません。何かを望んでも、今が不利な状況にあることは明白で、このまま進めたら、さらに悪い状態になることが目に見えています。

「遯」という文字は、豚が走ると書き、いわゆる「トンズラ」です。隠遁とか退避を意味します。大変な危険が迫った時は、一刻も早く逃げるべきなのです。

この卦が私たちに教えること

卦の形全体を見てみると、下の卦が二つ、陰(⚋)になっており、これからさらに陰の勢力が増し、陽(⚊)がかき消されていくことが予想されます。陽が消えていくということは、まっとうなことが通らない時代に突入することを意味します。正しいことをいっても聞き入れてもらえない状況下で、このままむだに時間を費やせば、自分が滅びてしまいます。負けることが分かっている戦いなら、素早く、地位や財産など、自分の意志や欲を捨てて逃げなさいと教えているのです。逃げることは卑怯なことではなく、危機が迫った時に、自分の身を守る大切な知恵なのだと説きます。他の安全なところに避難できたら、時の流れが変わるのを待ちつつ、次の機会のために準備をすることです。

易経では負ける戦いは絶対にしてはいけないと書かれています。必ず負けることが目に見えているものなら「逃げる」ことも戦略の一つなのです。

この卦が出たあなたへ

この卦が出るときは、仕事や家庭においても、すでに衰退の兆しが表れているときです。すべてのものが自分から去っていくのは、どうにもできない「時の勢い」です。このようなときは見栄・外聞を捨て、早急に見切りをつけて身の安全を図ってください。

この卦が出てよいのは、すでに「功成り名をとげた」方や、旅館・料亭などのお客相手の事業、芸能の仕事をしている方です。

結婚や恋愛はまとまらないとみます。性格的に合わないですし、このまま進めば女性の意見が強すぎて、男性側がおしまくられることでしょう。また、何もしなくても相手は他のことに気をとられており、自然にあなたから遠のいていくときです。

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