雷沢帰妹(らいたくきまい)~うら若き女性の結婚~

54.雷沢帰妹(らいたくきまい)

「うら若き女性の結婚」

この卦が表すもの

「沢」の卦の上に「雷」があります。沢は、人で例えると若い女性で、雷は決断する、奮闘するという意味があります。「帰妹」とは嫁いでゆく女性のことをいいます。女性が嫁ぐときは、娘時代が終わり、妻としての新たな人生の始まりです。ここでは若く、未熟な女性の側から夢中になって進めた結婚や、物事の順序を違えて進めた婚姻は、あとから悪い結果になることを示しています。

超少子高齢化が進んでいる現代では「授かり婚」という形態もあって、むしろ温かく歓迎される傾向にあります。時代によって、結婚の形式や形態は変わることはあっても、人間どうしの関係は古代と変わらないのではないでしょうか。当事者のどちらか一方が熱を上げすぎたり、一時の感情だけで意気投合して互いの立場をわきまえずに始めた関係は長続きしないものだと示しています。

この卦が私たちに教えること

この卦で若い女性を例えとしたのは、幼く一時的な感情で動く傾向にあるからであって、婚姻に限らず、一時のよろこびや有頂天になって動いたことは、あとになって必ず破綻すると教えています。

人生の再出発という意味で、ここでもう一つわかりやすい例を挙げると「転職」や「再雇用」です。順序を踏んで進めることが大切であることは言うまでもなく、雇用される側が自分の過去の功績を過大評価していたり、自分が年上というだけで尊大な態度をとったらうまくいきません。

この卦では、殷王朝の天子が妹を家臣に嫁がせたときのことが書かれています。この嫁入りの際、妹はお付きの女性より格下の着物を身にまとい、それは心を飾らず、おごらず、嫁ぐ家に従う決意ができていることを示すものでした。

周りの状況や環境が変わったとき、慢心せず控えめでことに望めば必ず吉になると教えています。

この卦が出たあなたへ

水商売の事業に関係する方にこの卦が出るときは、力強い支援者が現れるときです。

他の仕事や事業については、自分から先頭に立って物事を進めるのではなく、一歩後からついていく心持ちで流れに沿った方がよい結果になります。ただし、不正や私利私欲に振り回され、途中で挫折する怖れもあるので注意が必要です。また、一時的な感情で動くことは避けてください。

求職中の方は、正社員への道が険しければ、まずは非正規雇用や臨時採用から始めて、徐々に実力を発揮していけば時間はかかっても希望がかなうでしょう。

 

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