艮為山(ごんいさん)~立ちはだかる山々~

52.艮為山(ごんいさん)

「立ちはだかる山々」

この卦が表すもの

上と下の卦が両方とも「山」で、目の前に山が連なり、立ちはだかっているイメージです。「艮」という文字は、「人」の上に「目」の字の組み合わせであることから、城の門番のように部外者をとどまらせる存在であることから、とどまる・睨むという意味があります。

艮為山は、とどまる時を教える卦です。

この卦が私たちに教えること

物事が順調に進んでいるときに、とどまることは容易なことではありません。やりたいことや希望がすぐ目の前にあって、実現までのプロセスもわかっているのに、それをとどめなくてはならないとなれば、誰もがつらく、焦燥感にかられます。

このようなときは、どんな心持ちで精神状態を保てばよいのでしょうか。ここで注意することは、艮為山では、ただ単にすべての事柄にとどまりなさいと言っているのではないことです。「とどまるべき時にとどまりなさい」と教えています。つまり、とどまるべき時にじっと静かにとどまることができれば、やがて光が差してきて、動くタイミングを逃さずにつかむことができ、その先の運も開けてくると説きます。

また、とどまることを「停滞すること」とすると、自分が苦しくなるので、何かをしたいという願望を自分から手放し、欲から解放されることととらえてみることです。欲望から自由になれば、とどまることや動くという行為にすらこだわりがなくなり、やがて動く時がくれば、自然にそれがわかり、始動できるというのです。

そのために、自分の力量を冷静に判断し、いつでも動けるように態勢を整えておくことが大切だと教えています。

この卦が出たあなたへ

強い希望や、いいたいことがあっても胸の内にとどめ、山のような高尚な精神と不動の信念を持たなくてはならないときです。

自分の立場を認めてもらおうとか、爪痕を残そうなどと思ってはいけません。今は、自分のふさわしい場所に静かにとどまり、身を守る時なのです。

仕事や事業では、今の状況からすると、協力者が得ることが難しく、停滞は避けられません。また、実現の一歩手前まで来ていて、自分の決断を待つばかりの場合でも、長期的な視点で迷っているのなら、とどまることをお勧めします。

結婚では、もう決まっていることなら進めて大丈夫です。一方でこれから話を進める段階なら思いとどまった方がよいときです。

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