䷸57.巽為風(そんいふう)
「風に乗り種をふやすたんぽぽ」
この卦が表すもの
上下とも「風」の卦が重なっていて、風がそよそよと軽やかに吹きめぐる形をしています。たんぽぽの綿毛が風の力によって遠くまで運ばれ、着地した場所で繁殖していくように、周りのものをうまく利用していけば、運勢もよくなっていくことを表しています。また、この卦には「従う」・「出入り」という意味があります。ご自身が主体的に動いて何かをなそうとするよりは、人や時に従って初めて立場を得ることができます。むかしでいうと、隊商が遠い地のめずらしい布地や織物を並べて市で売り、そこでの売り上げで、今度はこの地の特産品を買い集めてまた遠くの地へ行き、商売をしました。まさに風がものを運ぶ様子を表しています。
この卦が私たちに教えること
風はある時は東から、別の時は西からと、とりとめもなく吹いてきます。この卦は「従う」ことを教えているので、何か事を起こすにしても、まずは実力者に教えを乞うとよいと教えています。
また、風は狭い隙間でも入り込み、行き渡るところから「広報」「命令」の意味もあります。国や組織のリーダーは、命令をするときは、よく理解される言葉で丁寧に、何度も伝えて人々に行きわたらせなくてはならないと教えます。傲慢で投げやりな命令には、従う側も反発心を持つ一方で、下手に出すぎては単なる媚びへつらいになってしまうので、それも良くないと説きます。
この卦が出たあなたへ
仕事や事業を占ってこの卦が出るときは、まずは自分に決断を与えてくれる年長者や経験者の意見を聞くことをお勧めします。
日常生活では、物事の進行状況が行きつ戻りつするために、迷うことが多く、決断しがたいときです。
また、隙間風が入り込むという意味から、空き巣に気を付け、外出の時は戸締りをしっかりとしてください。
結婚については、風のように話がとりとめもなく、まとまりがたいときです。
恋愛においても、デートを重ねてもその先の進展がなかなか見られずに、他にもっと良い候補が出てきそうな気がして迷いの多いときです。
人間関係においても、迷うときは、まず信頼できる人に相談することです。