䷮４７．沢水困（たくすいこん）
「鉢植えの樹木」
この卦が表すもの
四大難卦のひとつとされているこの卦は、「困」の文字から、囲いの中に植えられた木のイメージで、根を伸ばしていくことができずに行き詰まって困惑し、苦しみ悩む時を表します。
困難・困苦などの言葉があるように、誰しもこのように苦しい時が必ずあります。困ったときは窮状を訴えて、誰かから救いの手を伸べてもらいたいところですが、この卦では自分の言葉を信じてもらえず、正しい主張も通らない非常に厳しい時なのです。
この卦が私たちに教えること
この卦の中に「言あるも信ぜられず」とう表現が出てきます。困窮したときに、自分の言うことを信じてもらえないということですが、こんな状況で、さらに弁舌で難を逃れようとすると、ますます行き詰ってしまうことを警告しています。ここでは、外に向かって働きかけるのではなく、「最後に頼れるのは自分自身である」と腹をくくり、まずは口を閉ざして、自分の信念を貫く心構えを固めることだと教えます。
今まで恵まれた環境にあった人ほど、困難に直面した時のショックは大きく、ダメージを受けますが、この状態も永遠に続くものではないのだと、まずは心を落ち着けてください。これまでの幸運に感謝して、自分なりに打開するための試行錯誤を繰り返しているうちに、時や状況は刻々と変化を続け、やがて必ず、困難を乗り越えられたと思える日がやってきます。後々に、その時の大変さから学ばせてもらったと思えたり、苦労も笑いに変えられるようになったら、もう言うことはありません。
今しばらくは、困難が続き、悩みが多いときですが、自分なりの対処方法を見つけるつもりで過ごしてください。辛ければ、その悩みごと心の風呂敷に包んで、自分の傍らに置いておくだけでもよいですし、何もしなくてもよいのです。
この卦が出たあなたへ
仕事や事業では、実力不足に加えて資金難の時であると見ます。健康面でも飲みすぎや食べ過ぎで胃腸を痛めているときです。
この不運を打開するためには、まずこれまでの自分の良くなかった点を反省した上で、気持ちを明るく保つよう切り替えてみることです。
男性にこの卦が出るときは、口ばかりでよいことを並べても、実行力がなく、中身が伴っていないので、人から信頼を得られません。
女性に場合は、家庭の事情やその他の理由から、家を出てしまったゆえの生活難や、立場を失っている場合が多いです。とても苦しいときですが、人によりかかるばかりでは根本的な解決にはなりません。自分の力を信じて、役所やNPOに相談しつつも、経済的に自活の道を確立することをお勧めします。