䷒19.地沢臨(ちたくりん)
「変わりゆく季節」
この卦が表すもの
上の卦が「地」で、下が「沢」になっています。高いところにある大地から、低いところにある沢を見下ろしている形を表しています。これは、上の立場にある者が、下の者を教え、育てている様子を示しています。
この卦が私たちに教えること
地沢臨の「臨」には、臨機応変という言葉があるように、状況の変化に応じて対応していく必要を説いています。勢いも強く、仕事も忙しくなり、伸びていくときですが、忙しくなればなるほど、大局的に状況を観る眼は失われがちです。盛んになったものは、遠からず衰退の時がやって来ることを忘れてはならないと教えています。
また、この卦の原文に「咸臨」という表現が出てきます。「皆で臨む」という意味なのですが、江戸時代末期の勝海舟を艦長として太平洋を横断した船の名称はここから名づけられました。君臣がともに心を合わせ、協力して臨んだからこそ、大事業は成し遂げられたのでしょう。
この卦が出たあなたへ
仕事や事業を占ってこの卦が出た場合は、部下や後輩の意見に耳を傾けて熟考し、新たな政策を打ち出していくときです。場合によっては、瞬間的に判断して行動することも求められ、うっかりしているとチャンスを逃すことになりかねません。
恋愛や結婚に関しては、移り気なご自身のことを戒めなければなりません。特に若い人たちは好きになるのも早ければ、飽きるのも早いといったところです。結婚を望んでいるのなら、上っ調子はやめて、今の自分の立ち位置を冷静に観て、次の方針を考えてください。