風地観(ふうちかん)~地上を吹きわたる風~

20.風地観(ふうちかん)

「地上を吹きわたる風」

この卦が表すもの

下の卦が「地」で、その上に「風」があり、大地を風が吹き抜けていく風景が浮かんできます。運勢は衰退に向かっており、身をもってそのことを感じると、これまで慌ただしさに紛れて見えていなかったことが見えてきます。「観」には目で見るということの他に、洞察力をもって観る、示す、見られているという意味があります。

この卦が私たちに教えること

この卦では陰(⚋)の力が卦全体の3分の2までに広がり、人生、あるいは一企業において、または社会や時代においての勢いが弱まってきていることを示しています。その状態に置かれると、人はどうしてこのようになったのか考えるようになるというのです。勢いがなくなると、自然に静かになるので、反省をして、客観的に振り返ることができるようになります。「静観」という表現がありますが、まさにこのようなことです。現実を受け止め、問題がどこにあるのかを検証して次の方針を考えていくときです。

「観光」という言葉がありますが、これはこの卦が出典です。今はレジャーの意味合いが強いですが、易経では、国王が国を治めることができているのかを巡視・考察し、「国の光を観る」ことでした。国王が観る一方、治められる国民の側も観ています。会社などの組織で例えると、業績が上がらない時期にあったとしても、トップである社長が誠心誠意、従業員や顧客、ひいては社会のためによい事業を行っていこうという気概をもって臨んでいれば、部下や従業員もそれが伝わり変わっていくことを教えています。

この卦がでたあなたへ

気持ちが落ち着かず、不安なときですがこのようなときは動かずにつとめて心を静かに保ち、振返りと今後について考える時間としてください。精神面での発展には大いに進展がありますが、物質面ではあまり期待ができません。そのため、学問・研究分野ではとてもよい結果が得られるでしょう。

恋愛では、夢中になり冷静でなかったときは、相手に対して「ちょっとおかしいな」と思うことがあっても、そんなことはないとよい方向に解釈してきたことが、きっかけがあって、どうやらやはりおかしいと気がついてくるときです。

この卦が出る人は、理想が高く観察力も鋭いために、現実とのギャップに悩みがちです。人に求めすぎず、あるところで妥協することも大切です。

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