風水渙(ふうすいかん)~港を出る船~

59.風水渙(ふうすいかん)

「港を出る船」

この卦が表すもの

「水」の卦の上に「風」があり、水上を風が吹き渡っていく様子がイメージできます。「渙」とは、散る・解ける・発散する等の意味があります。風を帆にいっぱいはらんで出発する船のように、外に向けられた希望や大きな志が成し遂げられる明るい兆しの見える卦です。

この卦が私たちに教えること

古代中国の王にとって、国民の気が散り、気持ちが離れていくことは避けなければならないことでした。また、日常のよどんだ憂さを発散する目的もあって、廟を建て、天帝への祭祀をとり行って、人心を集め、大切なことは何かを知らしめていました。

現代の国家や組織のリーダーも、同様に考えると、国民や社員の気持ちが離れないようにしていくには、どのようにしたらよいでしょうか。考えられることは、ます自分自身が魅力のある人物であることと、いざというときに的確な判断ができ、最終的にはすべての責任を負う覚悟があることでしょう。

リーダーの発する言葉や指示は、「綸言汗のごとし」という表現があるように、一度出したら戻らず、将来の命運がかかる大変重いものであるので、的確かつ慎重に行う必要があると説きます。

この卦が出たあなたへ

とても強運のときです。今までの規模の小さな仕事から、大きな集団で取り組む事業へと切り替わる時期に来ています。明るい前途が見えても、油断は禁物です。先ばかり見ていると、足元の石に躓くおそれもあることをお忘れなく。

今まで運に恵まれなかった方は、挽回する絶好のチャンスが到来したと考えてください。事業家や政治家に現れる卦です。またはおおやけの仕事で、重要な役割を任されることもあります。現時点で、すでに希望に満ちていて、上昇気流に乗り始めた感覚にお気づきの方もおられるでしょう。

結婚は、男女とも仕事に熱中しているため、まとまりそうに見えてもなかなか進展が望めないときです。その一方で、仕事や事業のために結婚を遅らせた方にとっては、よいパートナーに恵まれるチャンスです。

人生においてのチャンスは、そうそうめったに訪れるものではありません。ここだという機会があれば、必ずつかんでください。

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