天地否(てんちひ)~ふさがれた扉~

12.天地否(てんちひ)

「ふさがれた扉」

この卦が表すもの

「天」の卦が上にあり、「地」が下にあります。一見、天は上にあって、地は下にあるので、自然な形のように見えるのですが、易ではそのような見方はしません。

上に昇ろうとする天の気は、ずっと上を向きっぱなしで、下へ降りようとする地の気は下を見っぱなしということになるので、互いの気が交わることがないため、物事が通じないといいます。

この卦にある「否」は、いなむ・ふさぐという意味があります。文字を見ると、口の上に‟不”でふたがしてある形です。口は、天と交信するための祝詞を入れておく入れ物、それにふたがしてあるので、天との交わりを拒絶していることになります。

天地否の卦は、閉塞の時代を表しています。

この卦が私たちに教えること

天と地の気が交わらないことから、人々は背き合い、国や家庭が崩れていく真っ暗な時代です。

世の中は、私利私欲にまみれた小人ものが跋扈し、人々は自分さえよければいいとそれぞれが勝手なことをしています。企業で例えると、経営者側は利権をあさり、従業員はなるべく怠けようとします。このような状況で、まともな意見を述べたところで排除されるだけです。信頼が築けない関係ではいくら正論をいっても誤解されるだけなので、このような「人災」のときは、余計なことを言わず、口を閉ざして時を待つことが大切だと教えます。

儲け話や出世話からは離れることが一番であるといいます。こんな時代に要職に就けば、あとからとんでもない災難が降りかかってくると警告しています。

この卦での救いは、このような暗黒の時代もいつかは人の手で打開されていくものだということです。時は少しずつであっても着実に変化を続けているのです。

この卦が出たあなたへ

仕事や事業では、ご自身の描いた構想が一向に進まず、経済的にも資金繰りの困難に見舞われるときです。

日常生活でも面白くないことが続きますが、やけを起こさずに隠忍自重することです。この状態も永遠に続くわけでなないので、当面はふさがって見通しが立たないことも、時間がたつことで状況が変わり、解決できることがあります。

恋愛面で占って、若い未婚者にこの卦が出る場合は、清いプラトニックな関係です。相手もあなたの気持ちに答える用意がありますが、友人や家族などの制約があり今すぐには踏み出せない状況とみます。今後、半年くらい待ってみて、まだご縁を結びたい気持ちがあれば、直接ではなく周囲から働きかけていってみてください。

一方、夫婦関係の場合は小さなトラブル続き、家庭内別居等、家庭内の不和が事業面での不調に影響している場合もあります。この状態を長引かせることは人生にとってプラスではないと考えるのなら、ただ時を待つばかりではなく、自分から折れて歩み寄ることも大切です。それができないのであれば、離婚するという大きな決断も選択の中に入ってくるでしょう。

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