䷟３２．雷風恒（らいふうこう）
「我が家の味」
この卦が表すもの
上の卦が「雷」で、その下に「風」があります。雷は「強いもの（＝剛）」、風は「弱いもの（＝柔）」の象徴です。性質の異なる雷と風が仲間となって、互いに相手側に従って活動し、剛と柔が対等に応じあえば、物事は滞りなく行われていくことを表しています。
「恒」は、恒久という言葉があるとおり、「久しい」という意味です。自分の信念を持ち続け、いつものルーティーンを飽きずにこなし、行動していけばおのずとよい結果がついてくる時です。
この卦が私たちに教えること
変化の法則性を説く易の中にあって、この卦は久しく、永遠に変わらないものは何かを教えます。一日は朝・昼・晩と変わり、一年も春夏秋冬が巡るように刻々と変化を続けています。その中で変わらないこととは、その巡りの順序です。変化の中にも久しく変わらないものがあるように、人間の生き方も時代を経ても変わらない根本があることを教えています。生き方の根本といわれると、大げさに聞こえますが、私たちが今置かれた立ち位置でとりあえず取り組み続けることではないでしょうか。そして、それは単に惰性的にやり続けることではなく、今後どのようになりたいとか、自分の目指すものを見据えたうえで行うものであれば、そこに成長があると説きます。人間は同じことを続けていると飽きて、変化を求めてしまいがちです。そこをぐっと抑えて、職人になったつもりで同じことを繰り返していると、同じととらえていたことが、日によって同じではなかったことにも気づくものです。毎回のうちのごはんの味も、たとえ同じメニューだったとしても、前回と全く同じではないのです。
この卦が出たあなたへ
仕事や事業では、長期の目標を定め、毎日できることをしっかりと取り組んでいれば物事は滞りなく進んでいくでしょう。これまでの方針を変えずに、いつもどおり着実にやっていれば必ずうまくいくときです。
男女の人間関係では、付き合いたてや新婚当初はアツアツのカップルも時間の経過とともに、だんだん落ち着いて、心が別の方向に向かい始めた状況を表しています。別の誰かへと、浮気をしたい気持ちが動くときですが、現時点であなたが望むような人は見つからないときです。今の生活に不自由はないので、この状態を犠牲にしてまで踏み切る覚悟ができる方は多くないはずです。
こういう時は、とにかく日常生活のペースを変えず、平穏無事に日々を守っていればよい結果が得られます。