䷐17.沢雷随(たくらいずい)
「従うとき」
この卦が表すもの
この卦の「随」は、随行・追随という言葉があるように、従うという意味を持っています。自分に実力があったとしても、主体的に動くのではなく、今は人や時や立場に従った方が良い結果が得られるときです。
この卦が私たちに教えるもの
沢雷随は、本来強いものが弱いものに従う時であることを教えています。つまり、今の自分の運は弱くなっていることを示しています。運が味方をしていないのに、人を従わせようとするとこちらが滅びることになります。
芸能界で例えれば、突然ブレークした人気スターと、ベテラン俳優がドラマで共演する場合です。演技力ではベテランの方が勝るとしても、主役はスターであるので、実力のあるものがないものに従っている形です。ベテラン俳優は、心の中で思うところはあったとしても、今、必要なものは時に従うしなやかさです。時の流れを受け入れ、しなやかに従うことによって、また時が変われば人を従わせることができるときがやってきます。この卦は、今が従うときであることを教えると同時に、実は「従わせ方」も教えています。つまり、「従わせるためには従いなさい」とも言っています。肝心なことは、やみくもに力のないものに従っておけばよいと考えるのではなく、時の流れを見据え「時に従うこと」です。
この卦が出たあなたへ
この卦は弱い運ではあっても、決して悪い運ではありません。身辺の状況が次第に強さから弱さへと変わりつつあることを感じてください。転職や転勤、住所の移転などが起こりやすいときでもあります。新たな事態にも適応していってください。
男女でみると、年配の男性と若い女性の組み合わせです。男性が若い女性に従っていく形で、今はうまくいったとしても、年齢・時代感覚・体力のずれもあり、将来まで安泰かどうかまではわかりません。妻のある年配者が、離婚して若い女性と一緒になりたかったり、若い女性が年配男性にしつこく絡みつかれたりする場合にこの卦が出ることがあります。